コロナウイルスでの休校とロックダウン セブ島留学生の選択

コロナ拡大の緊急事態 世界中での学校休校 フィリピンの様子

 

2020年 春

今、世界中がまさかの展開に襲われている。

コロナウイルス感染拡大がアジアを拠点に世界中へ広がり、まず驚いたのは各国で実践された学校休校。

あくまでも日本では要請、しかし世界視野で考えるとそんな甘っちょろい国は珍しいかもしれない。

 

強制休校を余儀なくされる国は珍しくなく、息子が在住するセブ島もそう。

国全体かは把握できていないけれど島全体が3月16日から強制休校となった。

 

3月、フィリピンでは2学期(息子の学校は)

学年終了までまだ2か月もあるという時期に突然の事態。

 

当初は3月28日までの予定だったのが、すぐに変更になり何やら5月まで再開しないと連絡が入る。

でも5月末で3学期は終了なので、ほぼ登校せずにこの学年は終わるのか!?

そのあと夏休みに入るから実質8月の新学期までずぅーっと休みということ?

 

そしてその余波は語学学校にも及んだ。

セブの全ての語学学校までもが強制休校の対象となる。

この島の収入源の多くが語学留学によるものだっただけに打撃は大きい。

その緊急命令により倒産せざる負えない学校も相次ぎ、必然的に失業者で溢れかえったのだ。

 

世界中でもあまり経験がないであろう緊急事態だと気づき始める。

 

そのころ既に同じフィリピンのマニラではロックダウンが始まっていた。

セブではほとんど感染者はいないということで、私達は事態の深刻さにまだ気づいていなかった。

 

フィリピン観光ビザ発行停止 留学生たちの行く末

 

3月19日

フィリピンで一部のビザ発行停止というニュースが飛び込む。

フィリピンには何種類かのビザがあり、少し特殊なのが学生ビザ等はないということ。

留学生などはSSPという学校から発行される勉強しても良いですよという半年ごとに更新する許可証のような類のもの。

それも発行停止の対象になるビザである。

ビザが発行されないということは引き続き滞在出来ないのではないか?

しかし調べてみると強制出国を命ぜられるものではないとすぐにわかり安心できた。

国の方針としては、今いる外国人はビザの期限が切れても事態が終息してから更新してくれたら良いですよというもの。

しかし出国をしてしまったらビザの発行が再開される目処がわからないから再び学校へ戻れるかわかりませんという事らしい。

 

ということは、引き続き学びたければ意地でもフィリピンを出るわけにはいかなくなった。

だけど念の為に本人に確認してみる。

どうする一度帰国しておく?

しかし息子の答えはNOだった。

まもなく始まる春休みも、最悪は夏休みも日本に帰らずセブに滞在することを息子は決断した。

私はこの時点では、夏休みも滞在費が必要になるのかと費用の心配ばかりをしていた。

 

コロナ拡大防止策フィリピン セブ島では未成年の外出禁止命令

 

3月21日

未成年と高齢者の外出禁止命令が出たという知らせが飛び込んできた。

破れば罰金ということ。

そこまでの事態になって来た。

日本との感染に対する意識の温度差が目立つ。

しかし日本ほど感染拡大はしていない。

政府の決断のスピード感の違いが伝わってくるようになった。

日本は今の認識で大丈夫なのか?という不安が出てくる。

まさに息子はこの対象者になる17歳、家に籠らなければならない事態になった。

この時の息子の状態はとくに元気で学校のオンライン授業もあるし、食料も生活必需品も買い込んだし全然大丈夫ということ。

何よりも寮生活で友達も同じ境遇、Wi-Fiもあるし何にも生きるには困らない、そりゃ大丈夫だろうと私も思った。

 

それよりも日本に帰国希望の短期語学留学生がたくさんいるのが心配だと息子談。

フライトにも規制がかかり、中々帰れない人々でセブは溢れているというのだ。

しかしそのような人の声の集結が地元日本人会を動かし、その計らいで何本かの臨時チャーター便が出始めていた。

私は息子に再度確認した。

一度、帰国した方がいいのではないか?

しかし息子は拒否。

次の学年もセブにいたいから今はこのままでいい、しかも逆に日本に帰った方が感染の恐れがあると皆が言っているということ。

まぁ確かに。

私もその意見に賛成した。

 

コロナウイルスの終息にむけてセブ州ロックダウン

 

3月26日

セブ州ロックダウンという知らせが舞い込んできた。

州全体が細かくエリア別に封鎖されるということで、セブが買いだめの人々で大変なことになってるという。

息子はこの時点では外出禁止の対象者なので普段と変わりなく過ごしている。

大人たちが大騒ぎしている、だけど自分たちはここでじっとしていれば安全。

ロックダウンとは何モノであるのか?親の私にも経験がない。

事態の終息を願うことしかできない。

 

ところが世界が大変なことになってきた。

韓国やアメリカ、方々での感染拡大、各国でのロックダウン、不安は世界共通で変わりなく襲ってくる。

自国の事態にあわせて帰国を決断する者が出てきた。

友人が一人二人と減っていく中、だんだん不安が大きくなってきた息子が不意にフライトはとれるか?と連絡をよこしてきた。

しかしこの時点では既に臨時チャーター便は終わっていた。

何で今更?1度だけではなく何度か帰国を促す声掛けをしてきても拒否だったのに…

しかしロックダウンという異常事態は精神をむしばんでいくのだろう。

次第に息子の様子がおかしくなってくる。

執拗に弱音を吐くメッセージが送られてくる。

 

志村けんさんの訃報によりコロナの恐ろしさを実感

 

3月30日

志村けんさんの訃報により息子の不安は極限状態になった。

あの人が亡くなった?コロナで?

私達も勝手に思い込んでいたかもしれない、あの人はずぅーっと生きて私達に笑いを提供してくれる人。

そんな独りよがりな想いが間違いだった。

まさか、嘘だろ?誰もが思ったことをロックダウンにより不安定になっていた息子にかなりの打撃を与えた。

嫌だ、もう嫌だ、死ぬなら日本で、こんなところで感染したくない、日本で死にたい!!

突拍子のない息子の叫びに、私はただ事じゃないと思った。

3歳のころの息子がママ、ママと手を伸ばし助けを求めてくれた懐かしい思い出が蘇る。

もう手に入れるには難しい日本へのフライトを私は探し求めた。

とっても高額なものしかない。

直行便ももうない。

それでも構わないと、躊躇なく高額チケットを手に入れた。

 

しかしそのフライトも土壇場で欠航になるかもしれない。

日々情報が更新されている世界情勢。

コロナウイルスという目に見えない者との探り合いは予想も出来ない。

 

とにかくフライトの日程まで息をひそめて待つしかないのだ。

 

ロックダウンをするとどうなる?

 

失業者で溢れかえり、日々治安が悪化していく街の様子に、現地ガーディアンも不安が募る。

出来れば子供たちは帰国した方が良いかもしれない。

学校再開のめども立たない、とにかく安全な日本に帰るしかない。

しかしロックダウンになるとはこういうことなのだ、生活の全てが機能を失っていき崩壊していく。

そして人の人生も壊れていく、溢れかえる失業者、生きていく為の犯罪。

日本にも緊急事態宣言を!という声を多く聞く。

それももちろん必要なことかもしれない。

だけどロックダウンになれば日本も同じように崩壊へむかうのではないか?

そんな懸念を拭いきれない。

そして我が子にとって、セブ島からはこのまま完全撤退になるかもしれない状況。

先生、友達とはサヨナラを告げることなく散り散りになる。

日本に戻っても残りの高校生活はどこで過ごすのか?

全く未来が決まっていない。

だけどそれだけの緊急事態が起きている。

それがリアルな実情であり、今回のような不幸は今や世界中で起きている。

ロックダウンを避けるためにできること、それはもはや一人一人の自覚しかない。

自分が感染しているかもしれないという危機感、そして人にうつしたら大変だと周囲へ対する思いやり

そんな些細なものが感染を最小限に抑える為に必要な心構えなんではないか?と考えてしまう。

口で言うのは簡単だけど。

 

 

それでもセブから離れるものかと復興を願い頑張る日本人はまだまだ現地にたくさんいることは忘れない。

 

息子を育ててくれた東南アジアにいつか恩返しができればよいのにと強く思う。

 

 

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